写真業界で仕事を受けられる人の特徴 - L015

最近、メーカーさんと写真家の間に入って仕事を割り振るような機会も増えてきました。そんな中で「メーカーさんから仕事を受けられる人の特徴」というのが、ぼんやりとですが見えてきたように思います。気になっている人も多い話を今日は書いてみます。
別所隆弘 2024.06.11
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さて、今日はお仕事の話です。そして結構気になる人も多いかもしれない、「写真業界で仕事を受けられる人の特徴」なんて話です。今日書く内容は、絶対的にそうだってことではないんですが、最近仕事を人に振り分けるような立場になった時に毎回直面する壁があって、一方で写真家側ではあまり意識されてない部分かもなあ、と思ったので、ちょっと書いておこうかなと。

最初に一番大事なことを書いておきますね。これはみんなわかっていることだけど、やっぱりあまり意識されないことなので、声を大にして伝えたい。それはですね、「みんな写真うまい」です。そんなことはねえ、下手な奴ばっかりだ!と息巻く方もいらっしゃるかもしれませんが、それはもう、ものすごく細かい部分での話です。冷静な目で見ると、これほど写真が上手い人たちが多い時代は、歴史上なかったってくらい、写真上手い人がプロ/アマ/一般人問わずたくさんいるんですね。

写真というのは面白いジャンルで、上手くなる速度が異様に速いジャンルなんです。例えば絵画や楽器、運動などは、よく「1万時間の法則」と言いますが、孤独で膨大な自己鍛錬を経なければ、プロのスタートラインにも立てません。でも写真は違うんですね。特にデジタル化以後、あるいはSNS以後の写真は、プロやハイアマの人たちが惜しげもなく技術をYoutubeで配信してくれる。それを見れば、とりあえずその部分だけはプロに並ぶくらいの出力を出せちゃうのがカメラであり写真です。「みんな写真が上手くなってしまう」のが今の写真業界なんですね。写真が上手い人の母数が多すぎるわけです。これも僕自身の問題意識に引き寄せると「写真家のコモディティ化」とも言えるんですが、まあ今回は難しい話はやめにしましょう。

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